エア切れ時の対処法 | 緊急浮上について

エア切れになる前に・・・ 緊急時の手順を確認しておこう

今回はスクーバダイビング中に起こりえる、エア切れ時の対処法についてです。

エア切れとは、スクーバタンク内の空気の残量がなくなる
もしくは0に近い状態の事を言います。

エア切れになると当然ですが、ダイビングは続けられませんので
ただちに浮上する必要があります。

そこで覚えておきたい、エア切れ時に行う大切な事は2つです。

1つは息を止めずに水面に浮上する事!
2つめは水面で浮力を確保する事!

この2つはどちらも【命を守る重要なスキル】になります。

緊急浮上に関しては、状況により対処法が変わりますので
その時に応じた浮上方法を行うのが望ましいです。

ライセンス講習時に習うのは以下の3種類です。

1.水面に浮上するための、代表的な緊急浮上の方法

エア切れ時に、空気を分けてくれるバディが近くにいた場合

空気供給での浮上 | オクトパスブリージング浮上

エア切れ時にバディなど、空気に余裕のある人に分けてもらい浮上する方法

バディに空気を分けてもらうと説明される事も多いですが
助ける方にもスキルが必要なため、ツアー中であれば
ガイドやインストラクターに分けてもらうのが好ましいです。

 

エア切れ時に、空気を分けてくれるダイバーが近くにいなかった場合

緊急スイミング浮上 | 緊急スイミングアセント

エア切れ時にバディが近くにおらず、1人で緊急浮上する方法
自分の中で「浅場である。」と判断した時に主に使います。

緊急浮力浮上

エア切れ時にバディが近くにおらず、1人で緊急浮上する方法
深いと判断した時に、主に推奨されています。

やり方は緊急スイミング浮上と、ほぼ一緒ですが
水底もしくは水中でウェイトベルトを捨ててしまうため
急浮上になりやすいです。

フレアリング体勢をしっかりとって急浮上する速度をおさえましょう。

2.エア切れ時でも水面で浮力を確保する方法

ボビング法

普段はインフレ―ターホースの給気ボタンを使って
BCに空気を入れて浮力を確保しますが
エア切れになると、ボタンを押しても空気を入れる事が
出来なくなります。

その為インフレーターホースに、直接 口で吹き込み
BCを膨らませて、浮力を作る必要があります。

ボビング法の紹介です。

注意点は、口で吹き込む時のみ【排気ボタン】を押しておく事です。

そうする事で、BC内に空気を入れる事が出来ます。
( ※ 排気ボタンなので空気が抜けていかないよう、口で吹き込む時だけ押すようにします。)

もう一つは、水面で水を飲んでしまわないよう
フィンキックを使って、高い所で息を吸う事です。

これがしっかり出来れば、波がある海況でも
浮力を確保して、安全に浮いていられます。

このフィンキックを使い、BCに口で吹き込むスキルを
ボビング法と言います。 とても大切です。

上記で紹介している動画内でも
フィンキックに合わせて、BCに口で吹き込み
浮力を確保していますので、是非ご参考下さい。

最後に

これらは緊急スキルのため、普段のファンダイビングでは行う事がありませんが
いざと言う時には命を守る重要なスキルになりますので
浅場の海やプールなどで、スキルチェックする機会を作る事をお勧めします。

当店でも冬~春などの水の冷たい時期には
温水プールなどでのスキルアップダイビングを
行えますので、良ければご参加下さい。

なお、基本スキルについては、海洋実習のページでも掲載しています。
基本スキルの確認

実際には中性浮力による浮力調節で、エア切れの対処が可能です。
空気が残りわずかになってきたら呼吸抵抗で気づくので
そこからゆっくり浮上していけば大丈夫です。
パニックになってしまわないよう、スキル練習をしておきましょう。

ダイビング事故は多くはないですが、水面で起こる割合は高いです。
水面では≪呼吸の確保と浮力の確保≫が出来ればほとんどの事故は防げます。
上記のスキルは使う機会がない事が一番ですが、必要時にはいつでも出来るように
なっておいて欲しいと切に願います。

それではエア切れ時に行う緊急浮上についてでした。

映像提供 SNSIジャパン
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