ダイブコンで窒素管理
普段ダイブコンピューターを付けて潜っている時には
無減圧限界時間や潜水時間などを気にして潜っていると思います。
TUSAのDC Solarなど一部のダイブコンには
M値というのを表示する機能が付いているので
自然と気にする事ができるのですが
他のダイブコンを使っている人でも
ハーフタイムやM値について知っておくと
窒素の管理や減圧に活かせるかも知れないと思い
今回はM値とハーフタイムについて紹介したいと思います。
M値とは
M値=減圧停止不要限界体内窒素圧
体内の窒素分圧で、そのまま浮上しても
窒素が飽和しない限界の圧力の値
もしくは、減圧停止をしないで済む
ギリギリの所の体内の窒素圧です。
体内組織それぞれの部分で、M値が異なると言われています。
※ダイブコンの表示画面例
ハーフタイムとは
体の組織内に窒素が溶け込み、飽和に至るまでの半分の時間です。
これも体内の各組織ごとに時間が異なります。
ハーフタイムが10分の組織だと、窒素が飽和するまでの半分の量が
10分で組織内に溶け込みます。
(50%溶け込む)
そこからまた10分経つと、残りの半分の量が
組織内に溶け込みます。
(50%→75%溶け込む)
時間が経過するにつれて、たまる速度が緩やかになっていきます。
また10分経てば、更に残りの半分の量が溶け込みます。
(75%→87.5%溶け込む)
組織ごとにハーフタイムの6倍の時間が経過すると
窒素の飽和点に到達すると言われています。
無減圧限界時間とは
浮上しても減圧症にならないだろうと予測される範囲の時間
ダイブコンピュ-ター上は、この範囲内なら
しっかり安全停止して、ゆっくり浮上すれば
大丈夫だろうと仮定しています。
ダイブコンを頼る注意点
ダイブコンは完璧ではありません。
ダイブコンピューターで表示される無減圧限界時間は
体の状態ではなく、理論上のデータに過ぎません。
あくまで目安としての限界時間を表示しているだけなので注意が必要です。
窒素の吸収や排出の速度は、体の状態や各組織など各個人においても
それぞれに違うので、減圧症の症状や予防方法も複数になります。
無減圧限界時間の範囲内で潜っていながら
減圧症にかかる例が、今では問題となっています。
・深めの所まで潜って、少しして上がって来る人
・中層の水深で、ずっと留まっている人
この場合だと後者の方に、この傾向が強くあります。
15m前後だと、深くなく安心して潜れる範囲かも知れませんが
ダイブコンでは表示しきれない危険性があります。
限界時間内で、体の部分的には余裕があっても
違う部分には、すでに飽和限界点にある場合があります。
ダイブコンでは浅場に戻るほど、限界時間がとても長い時間に戻ります。
中層や浅場でも窒素は溜まりますので、ダイブコンの範囲内だからと言って
延々と潜っていると、減圧症などのリスクが自身の想定をはるかに超えているかも知れません。
他にも潜潜・浮上を繰り返したりするのも、計算しきれなくなります。
このようなリスクを承知で、ダイブコンを使った潜り方をしていけたらいいと思います。
横浜のダイビングスクール Dive ColorS
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